ダイノックシートがどんな素材か知っていますか。
この記事では、ダイノックシートを使ってみたいと考えている方に向けて特徴を解説しますので、ぜひ参考にしてください。
ダイノックシートとは?
ダイノックシートとは商品名です。
スリーエムジャパン株式会社が販売している化粧塩ビフィルムの商品名で、裏面に粘着剤がついているシール状のシートになっています。
ダイノックシート表面のフィルムには、木目や石目など豊富な柄のデザインがあるので、壁や建具を仕上げる材料、金属製の枠や家具の仕上げ材など様々な用途で使われています。
サンゲツの「リアテック」やアイカ工業の「オルティノ」、シーアイ化成の「ベルビアン」もダイノックシートと同様の商品です。
ダイノックシートの特徴
ダイノックシートには以下の特徴があります。
豊富なデザインと質感の良さ
豊富な数のデザインと質感の良さはダイノックシートの特徴です。
木目柄や石目柄、メタリックな金属的質感のものなど多種多様なデザインから選ぶことができます。印刷されたシートでありながら本物のように見えるほどの質感の高さを活かして、様々な空間をつくることができます。
耐候性
ダイノックシートは耐候性に優れています。
耐候性とは、屋外で使用する樹脂製品や塗料が、気温や湿度の変化、紫外線などの影響によって、変色や変形、劣化のしにくさを性能として表したものです。
屋外用として使うダイノックシートには、壁面などの垂直面でおよそ10年の耐候性があるといわれます。耐汚染性能も兼ね備えているため汚れにも強く、質感の良さを長い期間保つことができます。
耐摩耗性
耐摩耗性は、擦り傷のつきにくさ、傷つきにくさを表します。
ダイノックシートは耐摩耗性があるので、擦り傷がつきにくい製品です。机の天板などに使用する目的の製品には、キズ防止の機能があるフィルムが貼られているものもあります。
耐摩耗性があり、汚れに強い性能があるので、台車を使用する場所や爪、靴が触れる場所での使われることもあります。
防カビ性
ダイノックシートには防カビ性があり、抗菌性にも優れています。メーカー実施の試験では、カビの繁殖を抑えるという結果が出ています。
参考:https://www.3mcompany.jp/3M/ja_JP/architectural-design-jp/solutions/neo/
この特徴を活かして、浴室やトイレなど水廻りの仕上げ材として利用することができます。
防火性
ダイノックシートには防火性があります。
法律によって不燃材料の使用が義務付けられている場所があります。防火地域の屋外では不燃材の使用が求められます。屋内では内装制限により規定されている場所で、不燃材料使用の義務があります。住宅では、ガスコンロ周りで不燃材の使用が求められます。
不燃材の認定を得ているダイノックシートは、こうした制限のある場所での使用が可能です。※不燃材としての使用は、下地の作り方に条件があるので注意が必要です。
施工がしやすい
施工がしやすいという特徴もダイノックシートにはあります。
シール状になったフィルムなので平面に貼るだけでなく、曲面でも施工することができます。曲面への施工は技術と経験が必要で、下地処理を念入りに行う必要もありますが、施工のしやすさは、ダイノックシートの大きな特徴の一つといえます。
施工できる場所と施工に向かない場所
ダイノックシートにも施工に適さない場所があります。
使用を検討している方は、施工できる場所と施工に向かない場所について紹介するので参考にしてください。
施工できる場所
• 外部の壁面
• 玄関ドア、窓のアルミ枠
• ユニットバスの壁、キッチン周りの壁
• 室内建具、家具
高い耐久性と機能性を活かして建物内外問わず、様々な場所の施工に使用可能です。
一つだけ注意してほしいことがあります。室内壁の仕上げとして貼ることは可能ですが、一般的な材料のビニルクロスとの比較検討を忘れずにしてください。コストはビニルクロスが安価です。
ダイノックシートにはビニルクロスには表現できない質感の良さがあるので、空間を演出するために選ぶのであれば問題ありません。ただし、コスト面を重視するのであれば、ビニルクロスを選ぶのも一つの方法です。
施工に向かない場所
左官工事で凹凸がつけられている和室の壁のような仕上げ面への施工には不向きです。
薄いフィルム状のシートであるダイノックシートは、下地に凹凸がある面に施工としてもきれいに仕上げることができません。
凹凸がある面への施工を考えているのであれば、新しく下地をつくって貼るか、別の仕上げにすることも含めて検討してください。